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庭園能

週末の夕方、目黒の庭園美術館の芝庭で行われた庭園能を観ました。少し肌寒くはありましたが天気がよく、澄み渡った清々しい空気のなかで観る能は素晴らしかったです。

庭園能

開演時間は16時で、演目は以下の通り。

解説:10分程度

仕舞:八島 香川靖嗣

  能:枕慈童 友枝雄人

 

 

「枕慈童」は重陽の節句の元になったとも言われる中国の伝説を題材にした、不老長寿を象徴する能です。演目と庭園の秋景色が融合し、得も言われぬ幻想的な雰囲気を創り出しています。シテの演技がすばらしく、繊細な舞や表現力豊かな声に物語の世界へ引き込まれました。登場と退場シーンの足ハコビなどは秀逸で上体が全くぶれることなく、まるでベルトコンベアーに乗って移動するかのようなすり足に驚かされた。本当に仙人が現れて消えていったかのような気がしました。

 

庭園能

屋外の特設舞台を日が沈む時間に合わせて設置したことにより、舞台が進むにつれて自然光から幻想的な照明に変化していく過程が演目の流れにマッチし、能楽の静けさや幽玄の美をさらに高めたように思います。

庭園能

ところで、霊験あらたかな菊の露を飲むことで700年間少年の姿を保った仙人が主役のこの演目は、4流派で「枕慈童」と呼ばれているが、観世流のみが「菊慈童」と名付けています。個人的には菊慈童のほうが断然響きがよく風情があるように思います。


いつか菊酒を飲みながら観たいものです。 

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