花見酒、月見酒、雪見酒・・・
季節と酒は古来より深く結び付いており、四季折々の風物詩は酒をより味わい深くします。
酒を詠った詩や俳句も多く、古くから自然や人々の生活と酒が深く関わってきたことを改めて感じます。
酒のめばいとど寝られぬ夜の雪
(松尾芭蕉)
ビール苦く葡萄酒渋し薔薇の花
(正岡子規)
ウイスキーをザボンに濺ぎ雪見の座
(松瀬青々)
ビール酌む男ごころを灯に曝し
(三橋鷹女)
酔うてこほろぎと寝ていたよ
(種田山頭火)
そして季節と密接に結びつく言葉である"季語"にも「酒」がつくものが多々あります。
新年:屠蘇、年酒
春: 梅見酒、花見酒、白酒
桃の酒、雛の酒
夏: 梅酒、冷やし酒/冷酒
甘酒/一夜酒、蝮酒(まむしざけ)
焼酎、ビール
秋: 月見酒、菊の酒、紅葉酒
温め酒、新酒、今年酒
濁り酒、新走り、古酒
冬: 雪見酒、鰭酒、熱燗
生姜酒、玉子酒、寝酒
季語に審査や基準はなく、俳句などで多く使われていくうちに定着していくようですが、ビールや焼酎のようにそれ自体が季語といった一部を除いて、酒自体は季語ではありません。
飲む人・作る人の観点、暑気払いや暖をとるといった目的と結びついて季語となっているものがほとんどです。
ここでご紹介した以外にもまだまだたくさんあります。千年以上と言われる詩歌の歴史の中で、酒は常に人々のそばにあり季節の祭事や日々の暮らしを彩って来たことがうかがえます。
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