⒔ソルトレイクシティ(2

 

ソルトレイクシティはユタ州の州都で、キリスト教の一派であるモルモン教の本拠地として有名だ。見どころは、その名前の由来となった巨大な塩湖と、モルモン教総本山の大聖堂だ。夏場であれば塩湖も魅力的だったのかもしれない。が、とにかくめちゃくちゃ寒い。とても湖に行こうという気は起こらなかった。よって、もうひとつの見どころである大聖堂に向かった。デポからそう遠くないところにあるとのことなので、歩いて行ってみることにし、雪の中を歩きだした。

 

ソルテレイクシティはサンフランシスコとはまた違った意味で美しい町だった。清潔で引き締まった感じがある。静謐といった表現が適切かもしれない。雪の中を歩いている人はもちろん誰もいない。がそれにしても静かすぎる。なぜか商店も全て閉まっている。どうしたことなのだろう。

 

 

どれくらい歩いただろうか。大聖堂のあるテンプルスクェアについた時には体が冷え切っていた。大聖堂はその名の通り巨大な教会で、威厳を感じさせる佇まいだった。中に入ると丁度パイプオルガンの演奏が始まるという。僕は多くの人たちに交じって教会の椅子に座った。演奏は荘厳で美しく、心が洗われる気がした。感謝祭の特別演奏だそうだ。

 

ちょっと得した気分だった。