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’80s アメリカの旅40

34.マリアッチ広場

 

今日も空が灰色に霞んでいる。スモッグのせいとのことだ。これもシティー名物のひとつらしい。とにかくここには名物が目白押しだ。今日はユカタン半島のビーチリゾートであるカンクン行のバスチケットを買うために東ターミナルに来た。クリスマスシーズンのせいで大変な混雑だ。運よくチケットを手に入れたものの3時間もかかった。バスの切符を買うのにこんなに並んだのは初めてだ。エアコン付のバス片道9,110ペソ。3,600円ほどだ。

 

チケットを無事購入したあとソナロッソに行き、明日からの旅に備えて100ドルを両替した。料率をみると妙に円が高い。日本で両替したときは1ドル204円だったのが180円になっている。日本円はメキシコでは人気があるのだろうか。両替のあと郵便局に行き日本にはがきを出した。よく考えたら日本を出て以来ずっと両親に連絡していなかった。少しは安心してもらえるだろうか。思えば随分遠くへ来たものだ。

 

ホテルへの帰り道マリアッチ広場を通りかかると多くのマリアッチが演奏していた。マリアッチは日本でいう流しのようなもので、幾人かで構成された楽団がリクエストに応じて演奏してくれる。メンバー構成はグループ毎で様々だ。クリスマスイブを間近に控えたこの夜はカップルの客が多く、ロマンチックな曲が至るところから聞こえてきた。

 

しばらく演奏を聴いた後ホテルへ帰った。9時ごろだった。ホテルの前の路地で、小学校の3~4年生ぐらいだろうか、男の子3人がサッカーをしていた。この寒空の下裸足だ。足が冷たくないのかと気になったが、顔を見るととても楽しそうだった。メキシコではサッカーが随分人気のようだ。

  

ホテルでシャワーを浴びた。今日も水は冷たい。その後、市場で買った500ペソのハーフサイズチキンとテカテでシティー最後の晩餐を飾った。そして明日からのユカタンの旅に胸を躍らせながらベッドに入った。

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